悪魔に捧ぐレクイエム

新しい仕事

「は、初めまして。家政婦としてやってまいりましたマリエル・パーカーです。」

　その女性は柔らかく微笑んで
「ジェシカ・アクレスよ。この家の女主人です。よろしくね。」
とおっしゃってくれたので、私は大いに安心した。

　波打つようにウェーブのかかった長い金髪を後ろでハーフアップにまとめ、その瞳は宝石のような緑がかった青。
　にこりと眉を下げるように微笑むと光がこぼれるようだ。

「今日は長い旅で疲れたでしょう。
　仕事は明日からそこにいる執事のウィレムに教えてもらって。
　とりあえず、お茶をいただきながらあなたの事を聞きましょう。」
とジェシカさまはソファを手で示し、ご自身も車椅子を動かしてテーブルの向こう側に移動した。