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「はい、失礼します。」
私が座ると、目の前にはアフタヌーンティーのセットがウィレムの手で置かれ、紅茶が注がれた。
すっかりお腹がすいていた私が美味しそうなスイーツやサンドイッチをじっと見ていると、ジェシカさまがくすくす笑った
「遠慮せずどうぞ。」
「…いただきます。」
「家のことはウィレムと通いの家政婦がいるのだけど、私の体がこんななので、あなたにお願いしたいのは私の身の回りの世話と話し相手なの。
もちろん、手が空いている時は家事もしてもらうわ。」
「はい。」
なるほど、それは住み込みが必要かも。
「身の回りの世話をしてもらうから、あなたの部屋は私の部屋の隣に用意したの。
後で案内させるわね。」
屋根裏部屋とかじゃないんだ。
てっきりシンデレラや小公女が押し込められていたような質素な部屋かと思っていた。
「あなた、マリエルだったかしら。おいくつ?」
「22才です。」
「…お若いのね。私の世話をさせて申し訳ないわね。」
「いえ、精一杯頑張ります。」
「うふふ、可愛い方でよかったわ。」
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