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その後のことは、おぼろげにしか覚えていない。
活気に満ちた渋谷のスクランブル交差点。
鉈をヒーローのように振り上げる僕。
数十、数百人が織り成す刹那の沈黙と冷たい視線。
老若男女の悲痛な叫び声。
無数に舞う血飛沫。
満たされていく決定的に欠落している何か。
気付いた時には、屈強な警察官二人に取り押さえられていた。
僕は、交差点の真ん中で寝そべり、ビビッドに輝く広い青空を見上げた。
あぁ、もうこれ以上の注目を浴びることは、ないだろう。
これにて、劇場は幕引きだ。
でも、きっと僕の奇行は、これからもたくさんの人を驚かせ続けることだろう。
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