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千年の歌姫たちへⅠ・紫式部
ここではまえがきでも紹介しましたように歌詞ではなく、節を付けて、琴や琵琶の伴奏をも添えて唄うべき、私の詠んだ和歌をご紹介したく存じます。「千年の歌姫たちへ」というのは紫式部や和泉式部、小野小町などの有名女流歌人たちが輩出したのが西暦1000年前後のことで、以来現代に至る1000年の間の歌姫たちに捧げる歌…という意味になります。要は私が心惹かれた古今東西の歌姫たち、その彼女たちが詠んだ名歌への返歌のごとき我が作品群ということです。各々の歌には例えば「紫式部へ」という塩梅で返歌先の相手の名を記しています。ちなみにこのように時空間的に離れた相手と相聞歌を交わせるのが和歌世界の醍醐味ではあります。なお和歌を実際に朗詠するとは、吟ずるとはどういうものなのか、下にURLを置きましたので(クリックかコピーができたなら)ユーチューブに貼ってお確かめになってくださいね。
https://www.youtube.com/watch?v=taqFsybjK1E 野路由紀子
https://www.youtube.com/watch?v=hGjSjoBbZ8A 平城山
紫式部へ:「思はせて焦がれさせつつ消ゆるこそ女冥利のきはみにこそあれ」「大君にはかりかぬれば舟浮かべ彼岸さしけむえ渡りたまひしや、紫式部」
※1.上一首目は「源氏物語・宇治十帖」内の大君にことよせて、二首目は同物語内の浮舟にことよせてそれぞれ式部本人に問いかけているわけです。
※2.ちなみに彼女式部は仏教のみならず中国五行哲学にも精通していたそうで、同作品は木火土金水(もっかあどごんすい。この順番で5元素の相殺関係を現わしている)を踏まえていると著名な人文学者の吉野裕子先生が喝破しておられます。まさに式部は天才、それ加うるに〝かなごころ〟(やさしい心)の持ち主でもあったのでしょう。それを下の和歌で…
同じく式部へ:「ひとの世をあはれと見れば華にかへかなごころもて五行へとひぬ」
【紫式部像 from pinterest】
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