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次に目を覚ました時、小僧は真っ白な世界にいました。
上も下も右も左も、真っ白です。
山も海も空もありません。
代わりに、ゆらりと影一つ。
娘だけがいました。
親より先に死んだ者は、親不孝の罰として地獄に落ちる。
小僧は、ここが地獄だと理解しました。
小僧は娘の手を取り、謝罪の文字を書きました。
――ぼくのせいで、ごめんなさい。
娘は笑顔で首を横に振り、返事を書きました。
――私の世界は、貴方だけです。ずっと一緒にいられるこの場所は、私にとって天国です。
地獄には、何もありません。
景色がなければ、音もない。
完全な無の世界。
しかし、娘と小僧は、もともと無の世界を生きていました。
地獄も現実も、違いがありません。
――お話、まだありますか?
――もちろんです。
娘と小僧は、今日もお話を続けています。
誰にも干渉されない静けさの中で、今日も世界を紡いでいるのです。
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