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カフェで時間を潰して病院に戻ると、すぐに診察室へ通された。
「また少し痩せられました?」
医師からの問いにばつが悪い気分になって口ごもる。
「出来るだけ食べようとはしているんですけど……」
「食べても吐いたりお腹が痛くなったりする?」
少し躊躇ったのち俺が頷くと、担当医は押し黙って思案顔になった。
「薬を変えてからSub値は落ち着いて来てますけど、その様子だと量を減らすしかなさそうですね。他に気になる症状は?」
「他、は……」
抑制剤を強いものに変えてから体には色々な変化が起きていた。食欲不振と吐き気、時には嘔吐、それから。喉元まで言葉が出掛かって口を開いたけれど、迷いが先立ってしばらく悩んだ後「……ないです」と答える。
「今日から椎名さんにはカウンセリングを受けてもらいます。担当するのはとても実力のある心理士ですから、安心してくださいね」
カウンセリングはダイナミクス専門の心理士が行うのだという。先生は紹介状とともに行き先を示した地図を俺に手渡した。
「先生、Domに慣れるってどういう……」
一体何をするのだろうと思ってたずねてみても、先生は「Domに慣れていないSubのための治療ですよ」と微笑むばかりで何も教えてくれなかった。
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