81人が本棚に入れています
本棚に追加
それから職場のことなどを訊ねられ、質問に一つひとつ答えていく。働いている会社の名前を答えると、先生は「Subなのにすごいじゃないですか」と感心したように言った。
「遥人くんは、どれくらいの頻度でプレイしてるのかな」
「え……」
きっと必要な問いで他意はないのだろう。けれど、プレイのことを人に話すのは後ろめたくて、俺は目を伏せて小さな声で答える。
「に、二週間に一度くらい……です」
「二週間に一度……。Subがプレイ不足に陥らないために推奨されている最低限の頻度だね。最後にプレイしたのはいつ?」
「せ、先週……。先週、しました」
「そう。先週したんだ」
「は、はい……」
ただ質問に答えているだけなのに、ひどく後ろめたい気持ちになって、吐息が湿っぽく熱を帯びていく。
「そのときはどんなプレイをしたの?」
「そ、れは……」
口を真横に引き結ぶと、答えを催促するように手のひらが肩を左右に往復し撫で付ける。
「言えないようなこと?」
電話越しに命令され、体の中の敏感な場所を長時間玩具で嬲られたあの日の快感を思い出す。じわり、体の奥から響くような甘く重い痺れが広がり、きゅ、と中が締まった。
「……っぁ……♡」
中に玩具を入れ、声を上げるのを我慢しながら気が遠くなるほど何度も何度も絶頂を繰り返したあの日。最後にははしたなく口付けと挿入を強請り、熱いもので最奥を穿たれ、全身を痙攣させながら深く絶頂した。
ふわふわする頭の中で体がどんどん火照っていく。
「どうしたのかな?」
「なんでも、な……っ♡」
最初のコメントを投稿しよう!