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そうして静かな密室に沈黙が落ちる。回らない頭の中、何か言わなければならないような気持ちになって、でも何を言えば良いのかわからなくて、口を開いては閉じるのを繰り返す。
「あ、の……」
「何かな?」
「ずっと同じ人とプレイしたいと思うのは、やっぱり、へ、変ですか……」
先日病院で渡されたリーフレットには『Subは老若男女、様々なDomと関わった方が良い』と書いてあった。だから、こんなふうに一人のDomに執着していることはきっと良いことではないのだろう。
「変じゃないよ」
「ほ、本当に……?お、俺、変じゃない?」
予想とは違う言葉が返ってきて、顔を上げて先生の顔を見る。その表情は嘘を言っているようには見えない。
「変じゃない、普通のことだよ」
ふつう、と俺が繰り返すと、先生はにこりと微笑んだ。
「Subは本来内向的な性格で、なかなか他人に心を開けないものなんだ。特に未経験だったりプレイに慣れていないSubは、本能的にDomを警戒する。SubはDomに命令されたら抗えないからね」
「ぁっ……」
頬を滑る先生の指が不意に耳に触れて、ひくん、と体が波打つ。
「その人以外とプレイするのは怖い?」
「こわ、こわい……」
「どうして怖いのかな?」
「Subの俺を見られるのがこわい、から……」
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