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だとしてもSubのフェロモンは無臭なはずだ。匂いなんてするはずがない。
「恥ずかしがらなくていいんだよ。元々男性Subは女性Subよりフェロモンが出やすいんだ」
「やぁあ……っ」
二人きりの密室に二人分の吐息と衣擦れの音が満ちる。
「やだ、やだ、たすけて、しゅーじさん、たすけて……」
目からこぼれた涙が鼻の先に垂れてシーツを濡らす。しゃくりあげる俺の手の甲に先生の大きな手が重なって、爪を撫でる。
「ん、ん、んぅう……」
「先生は遥人くんのことを思ってやってるんだよ。男性Subはただでさえ気性の荒いDomに乱暴に扱われたり、それでなくとも妊娠しないからって都合のいいオナホにされやすいんだ。そんなのは嫌だろう?」
「ん、ぁ……お……なほ……?」
「そうだよ。イライラしたDomちんぽをスッキリさせるためのオナホール。Domに都合よく使われる性欲処理の道具だ」
組み伏せられぴったりと重なった体。体を捩った瞬間下半身に質量のあるものが当たって、下腹がきゅうんと切なく熱を帯びる。ふにふにと柔らかいそれは、熱を帯びてはいないものの大きな体躯に見合う大きさで、双丘に擦れるたび体に浅ましい欲が降り積もっていく。
「ぁ、はぁっ……せん、せ……」
「先生とプレイしたくなった?」
「やだ……やだ……しゅーじさんじゃなきゃ、やだあ……」
「遥人くんはどうしてそんなにシュウジさんにこだわるの?付き合ってるわけでもない、Claimしているわけでもない、二週間に一度、君を都合良く使うだけのDomだろう?」
イヤイヤと首を振る俺に先生は困った様子でたずねる。俺はまるで駄々をこねる子どものようにしゃくりあげながら答えた。
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