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「でっ、でも……でもっ!しゅーじさん、おれだけ、おれだけっていった……!Subはおれだけだって……だから、だからっ」
「そんなのありふれたDomのリップサービスだよ。まさか、それを本気で信じてたの?」
「っ……」
突きつけられる事実に絶句して、ただはらはらと涙を流すことしかできない。
「シュウジさんだってやってる。Domだけじゃない、他のSubだって。みんなやってる、普通のことだ」
だから、ね?と先生は誘いかける。俺は茫然としながらそれでも首を横に振った。
「だ、だめ……。できない……」
「強情なSubは愛されないよ。Domに愛される素直でいい子のSubになろう?」
「あ、あいされなくてもいいっ……あいされなくてもいいから……」
だから、柊二さんがいい。そう泣きながら答えると、先生は俺の体を再び半転させて仰向けにした。
「どうしてそんなにシュウジさんにこだわるの?弱みを握られて、脅されたりしてる?」
力無くふるふると首を横に振ると、先生はさらに思案顔になった。
「だったらどうして?」
「き、きかないで……これ以上……」
これ以上心の内側に入られたくなくて、両腕で顔を隠そうともがく。
だってこれはあの日から秘密にすると決めたことだ。ずっと自分の心の中だけに留めておくと決めた。
「世の中にDomはたくさんいるのに、どうしてその人だけにこだわるの?」
「せんせい、おねがい……。おれのことはいいから、もうほうっておいて……」
どうかこのままそっとしておいてほしい。そう思って訴えるけれど、簡単にいなされてしまう。
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