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「ぁ、ん……」
先生の手がするりと服の中に入っていく。しっとりと汗ばんだ素肌を直接撫でられて、鼻にかかった吐息が漏れた。
「シュウジさんには内緒にすればいい。言っただろう?この部屋で話すこと、することは先生と遥人くん二人だけの秘密だって」
「ひ、みつ……」
頭の中で何かがけたたましく鳴り響いているような気がするけれど、その音もどこか遠い。
先生は放心状態の俺に優しい声で問いかける。
「厳しくされるのと優しくされるの、遥人くんはどっちが好き?恋人みたいに優しくするのがいいかな」
「こい、びと……」
恋人同士は一体どんなプレイをするのだろう。
柊二さんとはきっと一生することのないプレイ。それが一体どんなものなのか興味が湧いて、つい声に出てしまった。
先生は俺を見下ろして優しげに微笑む。
「じゃあ恋人みたいに優しくしてあげるね……」
「あっ、ん、んんぅ……」
先生の手が、まるで壊れ物に触れるようにそっと優しく肌を這う。柊二さんも恋人に触れるときはこんなふうに触れるのだろうか、と思うと胸が痛くなった。
「遥人くん、"Look"」
命令に従ったわけじゃない。さっきみたいに顎を掴まれて目線を合わせさせられただけだ。けれど先生と目が合った瞬間、背筋にぞくぞくと甘い電流が迸る。
「あっ♡あっ……♡な、なにっ?なにこれっ……♡♡」
「威圧の応用みたいなものだよ。されたことない?」
「ないっ、ない……っ♡こんなの、しらないぃ……♡♡」
「威圧の強度を下げてSubに浴びせることで、DomはSubの緊張をほぐすんだ。恋人同士では愛情表現として使われる。Domなら誰でもできることだけどね。気持ちいい?」
体の内側から快楽を引き出すようなゆったりとした威圧。全身を視線で拘束されているような感覚に被虐の快感が波のように襲ってくる。
「ぁっ♡ぁ♡せんせぇ……」
戸惑ったまま先生を見つめると、「どうして欲しいのか、ちゃんと口で言ってごらん」と耳元に吹き込まれる。
「や……っ」
「欲しい?」
「……も、もっと、ください……あっ、あっ、あぁっ」
ひくひくと痙攣する体をがっしりと掴まれ、押さえつけられて威圧を与えられる。被虐の快感で背筋がぞくぞくと震え、感じ切った甘い声がこぼれた。自由を奪われて、視線に犯されて不安なのに、どうしてこんなに気持ちいいんだろう。
「いい子だね。可愛いよ……」
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