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「んっ、あ……♡」
もっと、酷くして欲しい。
中まで貫いて、快感でぐちゃぐちゃにして、何も考えられないようにして欲しい。
俺を全部、柊二さんのモノにして。
「“Say”」
命令されて、ぞくり、と体が戦慄いた。
振り向きざま、視界の端に、さも大事そうに置かれた銀色の指輪が目に入る。
欲求の解消を目的としない二人は、きっと慈しみに満ちた愛のあるセックスをするのだろう。理性的で人間的な、愛を伝える行為としてのセックス。結構なことだ。
でも。
首を捩ると俺を見下ろす瞳と目があった。
───お前はこんな獰猛な眼差しを向けられたことがあるか?
顔も名前も知らない彼の恋人へ問う。
きっとこの人のこんな顔、知らないだろ。俺以外誰も。
「お願いしますっ……♡なか、柊二さんの大きいの挿れてっ♡乳首いじめながら奥まで突いて、中で出してぇ……っ♡♡」
「は……、中出ししてほしいだなんて……女の子みたいだね。ここ、おまんこにみたいに指に吸い付いてるもんね?」
「うんっ、うん…っ、俺のここっ、柊二さんの指でいっぱいいじられておまんこになっちゃったの…っ♡だからいっぱいおまんこして……っ♡おまんこの奥に中出しされてイきたい……っ♡♡」
中をさんざん解していた指が抜かれ、代わりにもっと熱くて大きなものが中を犯してくる。その衝撃に、思わず悲鳴じみた声が出た。興奮と喜びで涙腺が壊れたみたいに目から涙が溢れる。
「あっ、あっ、んぁっ……♡あ゛ぁ〜〜〜っっ♡♡」
「僕が良いって言うまでイっちゃダメだよ。我慢できるよね?」
こくこくと頷く。射精してしまわないように、両手で自分の根本をぎゅっと握り締める。
擦りたい。今、前立腺を押し潰されながら陰茎を扱いたらどれほど気持ちがいいだろう。
「あ、あ、あ……っ♡」
想像しただけで腰がびくびくと跳ねる。
「我慢して」
制止の言葉が降ってきて、ぎゅう、と下唇を噛みその衝動を耐える。
「いい子」
頭を撫でる手と囁く声は限りなく優しいけれど、俺を見下ろす目は凍てつきそうなほど冷たい。Domが自分の所有物を見る目だ。
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