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「・・・でも、どうしてナコは、米山の元へ現れたんだろうな?」
私はドキッとした。
まさか私が高梨君のプチストーカーだったことをナコちゃんに知られていたから、とは言えなかった。
「な、なんでだろうね?」
私は誤魔化すために、ケーキをフォークに突き刺し、もぐもぐと口に入れた。
そのとき、頭の上からナコちゃんの声がした。
(ななちゃん。今がチャンスだよ!)
(お兄ちゃんにチョコレート渡したかったんでしょ!)
ナコちゃん・・・。
私はナコちゃんの声に励まされて、自分のバッグを引き寄せた。
けれど途端に柳麗奈さんの美しい顔が脳裏に浮かんだ。
私のチョコレートなんてきっと受け取ってもらえないよ。
でも・・・・・。
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