なな

12/15
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
「・・・でも、どうしてナコは、米山の元へ現れたんだろうな?」 私はドキッとした。 まさか私が高梨君のプチストーカーだったことをナコちゃんに知られていたから、とは言えなかった。 「な、なんでだろうね?」 私は誤魔化すために、ケーキをフォークに突き刺し、もぐもぐと口に入れた。 そのとき、頭の上からナコちゃんの声がした。 (ななちゃん。今がチャンスだよ!) (お兄ちゃんにチョコレート渡したかったんでしょ!) ナコちゃん・・・。 私はナコちゃんの声に励まされて、自分のバッグを引き寄せた。 けれど途端に柳麗奈さんの美しい顔が脳裏に浮かんだ。 私のチョコレートなんてきっと受け取ってもらえないよ。 でも・・・・・。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!