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目が覚めるとシンと冷たくて世界が音を忘れていた。
無音の空気が雪の朝を知らせている。
雪いろのコットンシーツはやわらかく空気を含んで、ふんわりとからだを包む。そのシーツのむこう、おおきな背中に手を伸ばす。
ゆっくりとかたちの良い肩甲骨にふれて、そっとからだをちかづけた。
しずかな呼吸を伝える皮膚にくちびるでふれる。
きっとこれは白い羽の名残。
だからきっと、なみだが出るほどいとおしいんだとおもう。
まっしろい世界。おとのない世界。
しずかな雪の朝は、ぼくからの、きみへのきもち。
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