2 ― WANKO SOBA 延々と永遠に

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――ばかじゃないの。 綴がそういうことをするような人種だと思わなかったあたしは、ぶわっと目が熱くなって、血液がぐんぐん循環して、だけど涙は引っ込めて、別れたらどうするの! と綴をグーで殴った。 そしたら泣きながら塗り絵でもするから大丈夫。 そう言って、綴は穏やかな視線でアベリアを愛でた。 あたしは振り上げかけていた二発目のグーを下ろした。 ――ライブの打ち上げに来ない? 関係者の人に誘ってもらったんだけど、友達も呼んでいいって言われたの。 けっこういいお店でするみたいなんだけど、タダでいいって。 大丈夫、バンドのことは知らなくても問題ないよ。 むしろそっちの方がいいみたい。 友達のかえちゃんに誘われて、タダ食いラッキーのノリで参加した、名前もジャンルもメンバーの人数すらも知らないバンドのライブの打ち上げ。 そこで綴とあたしは出会った。 きわどいVネックから谷間丸出しの女の子から逃げてきた綴は、まるで親しい間柄のように「やっと来た!」とあたしの隣に座った。 うん。遅くなってごめんね? 事態を察したあたしは箸を置いて、綴の頬を舐め上げるようにゆっくりと目を細めて言った。 もちろん谷間女はあたしを睨み、あたしは菩薩ように微笑み返した。
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