2 ― WANKO SOBA 延々と永遠に

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――いち花さあ、チカとたまに会って、様子見てくれない? この子、放っておいたら……ちょっと危ない気がする。 いち花にこんなこと頼むのもおかしな話だけど。 ママの幼なじみであるあっちゃんは、うちのアパートで号泣するチカくんを見て耳打ちした。 チカくんをうちに連れてきたのも、ママの訃報をチカくんに伝えたのもあっちゃんだった。 いいよ、とあたしは即答した。 安請け合いといえば安請け合いだし、たしかにこの人やばそうだな、と思ったのも事実だった。 見ず知らずの人とはいえ、ママの死がきっかけで命を落とされては目覚めが悪い。 ファミレスで、あたしと同じパフェを頼んだチカくん。 青白い顔の前に置かれたトロピカルフルーツたっぷりのパフェは、まるで下手な合成写真のように浮いていた。 パフェ、似合わないね。 煙草とか吸ってる方がイメージに合うよ。 そう言うと、チカくんは「煙草は吸わない」と少しだけ笑った。 スプーンを握る手は骨も静脈も浮き出ていた。 大きいのに、頼りない手。 「……綴はさ」 「ん?」 あたしが死んだら泣いてくれる? そう出かかったの直前で止めて、「パフェ、おいしかったよ。かき氷も食べちゃった」と無理やり言葉を繋げた。 綴がくしゃりと笑う。
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