2 ― WANKO SOBA 延々と永遠に

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「なんでママ、あの人とつき合ってたんだろう」 悪い人じゃない、と思う。 だけど、いまいちチカくんのよさがわからない。 泣いている姿のインパクトが強すぎたせいか、どうしても弱々しく頼りなく見えてしまう。 「つき合ってないって言われたんじゃなかった?」 「そうだけど」 それが腑に落ちない。 別に隠さなくていいのに。 そんなことで責めたり、拗ねたりなんてしない。そこまであたしは幼くない。 ママの出かける回数が増えたのは、なんとなく気づいてはいた。 ママから言い出すまでは待っているつもりだった。 まさか、相手がああいう人だとは。 「毎週会ってるような男女の間に、なにもないなんてあり得るかな。それにママ、あたしにいつか会わせるかもしれない人がいる、って言ってたし」 「それは意味深」 「でしょ? でも、なんであの人なんだろう。ママ、ああいう感じが好みだったのかな」 「あっちがうまいのかもしれない」 「ちょっと、やめてよ!」 オエエとえずいてみせると、綴の右手は灰皿で煙草を押し消して、あたしを構いはじめた。
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