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教室に戻ると尊は沙織に呼びかける。
「戻ったよ、さあ早く証拠を見せてよ」
「もう、宮原君はあわてんぼうさんね」
「早く帰って、佐藤達とゲームしたいんだよ!」
「もう、これを見てゲームをする気分でいられるかしら」
沙織がそう言うと次の瞬間、尊の眼には沙織の背中に翼が生えてきたように見えた。尊もマンガ等で見た事がある、俗に言う天使の羽だ。
「う、うそ……、いきなり羽が生えてきた」
「どう、天使と言えば羽、これで信じる気になった?」
「確かにひらひらしているし、本物かどうかちょっと触ってもいい?」
「ダメよ!羽も身体の一部分なんだし、そんなのセクハラよ」
沙織よりセクハラという言葉を言われてなんとなく意味が分かる尊は思わず顔を赤くし、動揺しながらも抗議をする。
「だ、だって手品かなんかで出した作り物かもしれないじゃん……」
「……それじゃあ、これはどう」
そう言って沙織は宙に浮かび、羽を揺れ動かした。その状況にさすがに尊も驚きを隠せないでいた。
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