11. 変わりゆくもの

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石像みたいに動かなくなった柊ちゃん。 それが私の苛立ちを加速させる。 「ハーグーわっ!」 一音一音強調するかのようにして叫べば、 「え……」 柊ちゃんが自分の身体を見下ろし、何かを確認しその視線を戻す。 「俺……、服着てないけど」 「そんなの見ればわかるよ!」 「あー、…………だよね」 「ハーグーわっ!」 柊ちゃんは瞬きするけど、それ以外は微動だにしない。 「え………、だってまずくない?」 「何が?!」 何がまずいのさっ ますますイライラした。 「だから俺服着てないし」 「脱いだ柊ちゃんが悪いんでしょ?」 「え……だって、お風呂に入るつもりだったから」 「お風呂に入る前にハグすればよかったじゃん」 「………すず?」 「何さ」 「お前、どうかしたのか?」 「どうもしてない!」 「すず?」 「別になんでもない!」 「全然なんでもないって感じの返答に聞こえないけどねぇ」 少し呆れたような声で呟いた柊ちゃんは右側に少し首を傾けた。 酔っているせいか、いつもより仕草がゆったりしているように見えるし、声の速度も遅いような気がする。
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