1.繁華街の夜

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「あれ?ねぇなぁ〜」 飴の並んでいる陳列棚を前に俺は首を傾げた。 当たり前のようにあると思ったのにーー、 「フン、だろうな」 ソッポを向いて呟いたすずには予想通りだったようだ。 「次、行くぞ」 「はぁ?」 「ついてこい」 「マジで?」 「ほら、置いてくぞ」 「行きたいなんて行ってないんですけど」 不機嫌に文句を言うすず。 「ないからって、拗ねんなよ」 「拗ねてないし、柊ちゃん頭おかしなってるよ」 「湧いてるからな」 「……」 しぶしぶ後ろに来た気配。 ちょろいな、すずは。 そんなところは昔と変わらないのに、さっきのすずとは、つながらないな。 なんであんなことをーー。 頭の隅で考えながら、俺たちは次のコンビニへと向かった。
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