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好きなもの選べとすずにメニューを渡せば、
「御飯までつけてくれるの?」
と生意気な口を利くすず。
黙って選べと告げ、俺達はそれぞれ好きなハンバーグを注文した。
さて、ご飯が届くまでの間、俺達は向かい合いゴングを鳴らす。
「で、なんで金が要るの?」
「またその話?」
嫌そうな顔を隠そうともしないすず。
「5万でお前の時間を買ったんだ。俺の質問に答えろ」
「柊ちゃんメンドクサイ男になったね」
「黙れ」
「おまけに横暴だ」
「うるせぇ、で?なんで金がいる?借金でもあるのか?」
「あるよ。借金。私じゃなくて親のだけど」
「お前が払ってるのか?」
「さぁね」
「すず、万里子さんは?」
すずの母親の名前は万里子という名前だったのを頭の片隅で憶えていた。
そして、すずが小学生の頃離婚した事も風の噂で知っていた。
「いるよ?」
「病気なのか?」
「病気?はっ、そうかもね、男に狂った病気かも」
「……」
すずは嘲笑うかのように言ったけれど、俺はぜんぜん笑えなかった。
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