1.繁華街の夜

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「ねぇ、柊ちゃん、私高校一年生になったんだよ」 「え?あぁ……、高校生になったんならもっと健全なバイトしろよ」 「柊ちゃんはわかってないよね」 「え?」 「普通のバイトなんかじゃ足りないよ」 「え?」 「毎月払わないといけないお金と、生活するためのお金がいる」 「お前、生活費まで払ってるのか?」 「自分のためだよ」 「……」 「欲しいものがあっても買ってもらえないなら、自分で何とかするしかないでしょ」 「……」 「おまけに、中学卒業しちゃったから給食だってなくなっちゃった。お昼のお金だって、あの人はあてに出来ない」 「万里子さん、働いてないのか?」 「仕事はしてるよ。でもそれは私の為じゃない。自分のために働いている。そして男のためにね」 「……」 「あの人は男に狂ってるから何の期待もしていない。むしろ、消えて欲しい。私一人の方がどんなに楽か――」 「すず、お前……」 「あ~、変な同情はしないで。聞かれたから答えただけだし、別に柊ちゃんにどうこうしてほしいとか思ってないから」 「……」 予想以上の重たい内容に、俺はショックを隠せず言葉を失った。 そしてそのタイミングでいい匂いのハンバーグが登場。 「いただきま~す」と笑顔で手を合わせたすずと、援助交際してお金を稼ごうとするすず。 同じ人物だなんて到底信じられない。 俺は夢でも見ているのだろうか――、
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