1.繁華街の夜

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「なんなんだよ、お前は」 「え?」 突然声を荒げた俺にすずも、そして俺自身も驚いていた。 「このまま、もう会わないつもりだろ?」 自分でも何を言っているんだろうか――、 会うも会わないもない。 俺達はずっと会ってなかった。 それが当たり前だった。 なのに、俺はそれを許せないでいた。 すずが戸惑っている。 「柊ちゃん、変だよ、どうかしたの?」 そりゃそうだ。俺は変だ。 俺が一番わかっているし、戸惑っている。 俺はどうかしちまった。 よく考えもせずに、いったい何をくちばしってるんだか――、 「柊ちゃん?」 「あー、うん。なんでもないわ」 「そうなの?」 「あぁ…………、とにかくこれ持ってろ」 「え?」 すずに握らせたお金。 すずがあの胸糞悪い親父からもらおうとしていたお金。 「いいって言ったのに――、」 返そうとするすずから、一歩後ろに下がって距離をとる。 「いいんだ。持ってろ……」 「でも――、」 まだ何か言いたげなすずに俺は――、
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