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「ねぇ、なんかお腹すいたよぉ、どこか食べに行こう」
少し甘えた声で俺の腕に絡みついてくる女を見下ろし、俺はすばやく考える。
今日は昼まで寝てたし、睡眠満たされ、性欲も満たされ、次は食欲ってか?
「ねぇ、行こうよ」
少し鼻にかかったその声が妙にカンに触る……でもないが、まぁ、いいか。
実際、腹も減ったような気もするしな……。
女というよりは、現在時刻と相談し、俺は頭の中であれこれこの後の算段を練る。
食事してバイバイ、でまぁ、いっか。
次の約束は――、あー、なしだな。
どうも、この声が好きじゃねぇ。
でも今日はヨシとしよう。
俺はクズじゃねぇからな。(クズもろくでなしも同じか?)
誰に言い訳するでもなく、頭の中の独り言。
俺はニィッと口角をあげ、「いいよ」と女に笑って見せた。
「やったぁ」とはしゃいだその声に、ん?とまたも無意識に顔を顰めそうになったけれど――、後数時間、まぁいいか。
と、その気持ちに蓋をした。
部屋を出て、俺の腕に絡みつく綺麗に整えられた爪。
ある意味凶器だな……、何て変なことを考えながら廊下を歩く。
身体は細かったくせに、絡みつく腕は結構力が強い。
おいおい、子供じゃねぇんだから、1人でまっすぐ歩けよ。
と言いそうになるのを飲み込み、作り笑顔。
あ~ぁ、早く外に出て新鮮な空気を吸いてぇなぁ……。
無意識に速足になる。
「あ~ん、早いよ、待ってよぉ~」
鼻につく声。
う~ん、やっぱりこの声あんまり好きじゃねぇな。
何て思ってあと一歩でラブホの外へ――、のタイミングで
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