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「彼女がリンと名乗ったんですか?」
「そうです。私にリンと呼ぶように言っていました」
「…………へぇ~」
偽名……、まっ、そっか、そうだよな。
赤の他人にそう簡単に本当の名前を教えるわけがないよな。
逆に考えれば、すずもそこまで馬鹿じゃないってことだな。
にしても、この親父……、いったい何なんだよ。
顔見てるだけでイライラがこみ上げる。
おまけにちっとも帰る気配がない。
まだすずを狙ってやがるのか?
じーっと親父を見ていたら、「いったい君は何なんですか?」と尋ねられた。
なんなんですかーー、
何なんだ?
俺すずの何なんだ?
……。
あれ、なんだと言えばいい?
俺はすずの――、昔の近所の知り合いです、とでもいえばいいのか?
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