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—―天才を殺す凡人。
いつだってマイノリティをマジョリティが排除するのだ。
天才は羨まれ、恨まれる。
畏怖の念を抱かれる天才は人間の文化を高みへ上り詰める事が出来るのにそれを凡人に阻止されて人間の文化を停滞させる。
今回もそんな人間のどろどろとした、しかし誰もが持ちうる感情から起こった事件だった。
「って、感傷に浸ってます?」
心の声を読まれたように思っていたことを言い当てられて思わず睨む。
「木戸さんってあれですよね。意外にポエミ―。でも発言は現実主義で温度差で大変です。」
「勝手なことを言うな。」
「えー。でもそう思ってましたよね?私、顔色読むの得意なんですよ。空気を読めるタイプの能天気なので。
…法で裁かれますかね?」
「微妙だな。手を下したわけでもないし、楽譜を送っただけと言われればそれまでだ。」
「まあ、それを考えるのは検察官の仕事ですしね。
さ、次行きましょう。また不思議な事件の担当になりましたよ。
知ってます?私たちってゲテモノ担当とか裏で言われてるんですって。」
「じゃあ、担当を避けてるやつらははいつまで経っても頭メルヘン野郎だな。」
「お、言い得て妙ですね。
えっと、次は「地獄を見るふわふわパンケーキ~天国の雲と川を沿えて~」事件ですって。」
「…天国か地獄かどっちかに揃えろよ。」
「行きましょう!
現実では探偵はいないし、呪いなんて不思議な力は存在しない。
この事件を解決するのは私達の地道な捜査ですもんね?」
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