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やはり、自分はここで誰かと交信した。
ヨウヘイはすぐさま船長席に向かい、航海データを閲覧した。
そこには2534年という年表が表記されていた。
「これは……500年も昔の船じゃないか」
航海データによれば、2534年にこの船は月を出発している。
今よりも500年も前のことだ。
つまり、この船は500年間ずっと宇宙空間に漂っていたことになる。
誰にも見つからずに500年……。
そこでヨウヘイははたと気が付いた。
貨物室で見たエンブレム。
あれは、歴史の資料に載っていた大昔のとある会社のエンブレムではなかっただろうか。
今なお謎が残る『突如消息を絶った巨大宇宙船』を保有していた会社。
500年も前のことなので定かではないが、確かその会社は巨大宇宙船に大量の時空発生装置を乗せてタイムトラベルを計画していたとされている。
ヨウヘイのいる現代でもタイムトラベルは実現できていないが、当時はかなり本格的に取り組んでおり、実現するのではないかとの呼び声も高かったらしい。
しかしそんな中、実験中の宇宙船が突如消息を絶ち、二度と現れることはなかった。
だとすれば、この船は……。
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