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 今、自分がすべきことは感情に任せてトーマを(かば)い立てすることではない。彼の願いを叶えるために不本意でも特捜本部に残ることだからだ。  自分の答えを聞いたトーマは意図が伝わったことを喜ぶようにうんうんと首を縦に振ってから立ち上がり、自分の横に立った。 「ヴァン、本当にありがとな」  ぽんと自分の肩を叩いたトーマが足音を響かせてトイレから消えた。
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