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妻の告白
「夕食でも、食べに行こうか」
勇気を出して、妻を誘った。2人で行くのは、何となく気恥ずかしい。改めて、子供たちの存在の大きさに気づかされる。
妻は一瞬、驚いた表情を見せたものの、すぐに笑顔に戻り頷いた。これで夕飯の支度をしなくて済む。そんな理由の笑顔なのかもしれない。
行くのは、遠い昔に妻と行ったレストラン。夜景の見える展望所の少し下にある場所。30年前、私が彼女に告白した場所。
ネットで調べてみると、どうやらまだあるらしい。子供ができて、1度だけ家族で行ったかな。それ以来だから、約10年ぶりか。
私は昼間からそわそわして、何を着て行こうか、道はどうだったか、様々なことを考えた。こんな気分は久し振りだ。
若い頃に戻ったような気がした。
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