それぞれの岐路

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 3年後には長男、その2年後には次男が生まれ、私たちの生活は順風満帆だった。30代半ばで、私は主任に昇格。子供たちはすくすくと元気に育っていった。  この頃になると、話題の中心は子供。ありがたいことに、運動会や文化祭、修学旅行など、学校の行事はたくさんある。その時は大変だが、1つ1つの思い出は、今でも色褪せていない。  時には家族で旅行やキャンプにも行った。みんなで風呂に入り、豪華な食事に舌鼓を打ち、トランプやUNOで盛り上がる。みんな笑顔で、最高の時間。  長男が中学に入ると、徐々に親へ反抗的な態度が出るようになり、妻と長男はよく小競り合いをしていた。  息子のことを思っての妻の言葉と、それを素直に受け入れられない息子との葛藤。私はそれを傍から見ながら、双方に声をかけ、これ以上雰囲気が悪くならないよう、懸命に気遣っていた。  長男も次男も、それなりに親との衝突や自己主張をしたものの、家出や犯罪を犯すことなく、とりあえずは自分の夢を見つけ、大きく育ってくれた。  
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