それぞれの岐路

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 やはり、私にはこの人でなくてはいけないのだ。今さら古女房に見切りをつけて、新しい人と一緒になる?  私にそんな元気はないし、また1から互いを認め合うのにエネルギーを割くのは、私にはできそうにない。  会話はあまりないかもしれない。きっと小言を言われることも増えるだろう。それでも、やはり妻がいいのだ。  安心感。信頼感。外見に関しては小じわも増え、髪に白いものが目立ち始めたものの、それらからくる安堵感持った人は、世界中探しても、やっぱり妻しかいない。  妻はどう感じているかは知らないが、今なら、はっきりと分かる。  私は、妻を愛している。
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