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 次の日も晴れた。ミニブタは、昨日客の誰かの質問に答えた通り、この日もウサギ町で、ゆで卵を乗せたリヤカーを引いていた。 「ゆでたまご~。おいしいおいしい、ドラゴンのゆで卵はいらんかね~」  本屋の前に来た時だ。 「ちょっと、ゆで卵屋さん!」  ミニブタを呼び止めたのは、昨日の茶色いウサギだった。ずいぶん慌てているようである。 「あ。昨日、大きい卵を買ってくれたお客さんですよね。どうしました?」 「あの卵から…、あの卵から…」 「あの卵から?」 「ドラゴンが孵化した!」  ウサギはひどく慌てた様子で訴えた。しかし、ミニブタは全く動じずに答えた。 「ああ、な~んだ。すいませんねえ、たまにそういうこともあるんですよ。メスだけで育ててるはずなんだけど、ドラゴンは性別を見分けるのが難しいから」 「茹でてあるんじゃなかったのか?!」  ミニブタは、顎に手を当てながら言った。 「100度程度のお湯じゃ、(ゆだ)らなかったってことかな」 「そ、そんなことってあるのか…?」 「ドラゴンは不思議な生き物だってことを、現代人はすっかり忘れちゃってるんだよね」  ミニブタはぴしゃりと言った。 「ボク達のご先祖の代から、長い時間をかけて家畜として飼い馴らして、品種改良も重ねてきたけど、たまにちょっと変わった個体が出てくることもある。ドラゴンの遺伝子は複雑なんだ」
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