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そしてまた、いつもの日々が続いた。
することはなく、離れに閉じこもり飯を与えらえる日々。
もう、身体の疼きは止まらない。
昼ひなかから、胸をはだけてほと弄りにふけった。
夕餉を運んでくる女にそれを見られても、指は止まらなかった。
じき、離れに出入りするのは、あの中年男の妻だけとなる。
その宵も、夕餉の膳をもって部屋へと入ってきた女の前で、わたしはヒイヒイと気をやった。
使いの中年男の妻は、ただ人好きの良いおだやかな微笑をたたえたまま、わたしのほと弄りを見守っている。
気をやりおえて、ハアハアと息を荒らげるわたしに、女は、
「ほんとうに……『色好み』なお嫁さまやねぇ」と、素朴に穏やかな笑みを浮かべてみせた。
そしてわたしは、
「だん、な…さまは……祝言は……」と、女に問いかける。
「ああ、そうですなぁ、『そろそろいい頃合いだろう』と、むらおさが言っておられたってな。うちのが、そう言うておりましたよ」
訥々とした女の答えに、わたしは飛び起きた。
「ああ、ああ、やっと……やっと」
涙が溢れた。
もう身体は焦れ切ってしまい、どうにもならなかったのだ。
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