嫁入り娘

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 そしてまた、わたしは離れに戻された。    祝言の前と同じ日々。  でも、身体は前と同じではありえなかった。  旦那さまに舐められた場所が、つまりはほぼ身体中が、うずいてうずいて堪らない。  着替えの衣擦れにさえも、気をやりそうになるほどに。  特に、深く舌を挿し入れられたほとの疼きは、ひときわだった。  どうして、あれきりお顔も見せてくださらない。  尻肉も胸も、吸いつくように心地よい肌だなと。  あの夜、旦那さまは何度も褒めてくださったのに。    祝言の日から、どれほど経ったのかも定かではなくなった頃。  夕餉の後、しばらくして誰かが離れにやってきた。    旦那さまだった。    そのひとに、何と言いながら駆け寄ったのか、覚えてもいない。  縋りついて引き倒して。  願い事を口にした。  わたしは丸裸に引き剝かれ、身体中を撫でられ、舐め回される。  それは、恐ろしいほどの心地よさだったにもかかわらず、わたしの望むものではなかった。  だからひたすらに、わたしは言う。 「おちんぽうを、まらを、くださいませ、ほとに」  繰り返し繰り返し。終いには叫ぶほどに。  そうして、気が遠くなるような長さの弄り遊びののち、ついにそれが来た。  大きく割り開かれた股は、グショグショに濡れ、痺れ切るほどに感覚もあやうい。  そこに、望むものがやっと、押し当てられる。 「ぁ、あ゛……ゃあぁ゛ぁ゛ぁ゛っっ……!!!!」  あつい、いいえ。  痛い………っ。  いたい、あつい、いたい、いたい。  無数の針で描きむしられるみたいに。  絶叫が、悲鳴が止まらない。  すると、ほとの中で、何かが迸った。  もう、子種が放たれたのだろうか。    わたしのなかを、ぬるい液が濡らした。  不思議と、あの激しい痛みが引いていく。  旦那さまが、さらに深く、わたしを穿った。  無数の細い、尖った何かに内側を擦り上げられる感覚は続いた。  でも今、痛みはもうなくて。  ゾリゾリと擦り上げられる感覚は、気が狂うほどの気持ち良さだった。  これまでのなにとも比べられぬほどに。  今度は気持ち良さのあまり、わたしは悲鳴を上げ続ける。  なんどもなんども気をやるが、そんなものすら、もう意味をなさないほどに、なにもかもが心地よかった。旦那さまの熱く大きく固いおちんぽうに、強く擦り上げられる感じは、たまらなく心地がいい。  かろうじて、旦那さまが二度目に子種を吐いたところまでは覚えていたけれど、そのあとのことは、もう何も思い出せない。  朝、明るくなった頃に目をあければ、旦那さまはまた、わたしの上に覆いかぶさっていた。  ほとに、ズブズブと抜き差しされる大きな熱。 「あ゛っ、あ゛、いっい゛ぐぅ……っ」  かすれ声で叫んで、わたしはすぐに達した。  もちろん、旦那さまの腰は止まらない。  力も尽きて重だるい腕を、ゆっくりと旦那さまへと伸ばす。  そして、ふたりが交り合うところへと指を向けた。    チカッと、なにかが指の腹に刺さる。  ブワリと赤い血が噴き出した。  慌てて吸い付き、傷を確かめる。  無数の細かな切り傷がついていた。    ……なぜ。  考えもなにも追いつかず、わたしはそのまま、むらおさに穿たれ続ける。  そしてなんども気をやって。かすれ途切れる喘ぎ声が止まらない。  うつ伏せのわたしに、背後からマラを嵌めていた旦那さまが、腰の動きを緩めて、わたしを仰向けにさせた。  足首を掴まれ、尻を持ち上げるようにして、大きく股を割り開かされる。  その刹那、わたしは朝の光のうちに、旦那さまの股間の男張を目の当たりにした。  豊かな下生えの中、太く、固くそそり立つその肉棒には、びっしりと何かが生えていた。  髪の毛ほどの細さの、錫色をした短く固い棘。    目に映るものが信じられない。  でも。  さっき、わたしの指を傷つけたものは。   「ひっ…ひぃぃぃぃっ……っ」  一気に、恐怖がこみ上げた。  あんな陽物で、わたしは。  ほとを穿たれつづけていたのだ。なんと、なんと恐ろしい。  初めて、受け入れた時の、あの鮮烈な痛みが一気に蘇った。  逃れようと身体をよじらせる。  でも、両足首はしっかりと旦那さまに掴み取られたままで、どうすることもできなかった。  ズクリ、恐ろしい男茎で、むらおさがわたしを深々と貫いた。  今、しかと分かる。  無数の棘が、ほと筒のなかを擦り上げる感覚が。でも、けれど。  痛くはないのだ。中はすこしもいたくない。  それどころか。 「ぁぁぁぁあっっっ……っ、ぎぼぢっ…い…い゛ぃぃぃ……っっ…」  旦那さまのマラは、とんでもなくいい。  ジンジンと熱くて目がくらみ、ほとはヒクヒクと蠢いて止まらない。  腹の奥の奥を、固くて太いおちんぽうの先に抉りあげられた。  重たくて、溢れ滲む心地良さがこみ上げる。  わたしは腰を振って、マラの先を、さらにグリグリと行き止まりにこすりつけた。 「い゛っ、いいっ、い…い、おちんぽう、おく、あ゛だ…るっ」    旦那さまのマラが、さらに大きさを増し、さらに奥へとめり込んでくるように感じた。  ああ、旦那さまも、気をやるのだ。  もうすぐ、熱い子種の液を出してくださる。  わたしは腰を大きく振って、さらに深くまで陽物を咥えこむ。そして、腹奥に吐き出される男液の熱さを感じながら、 「あっ、ああああぁぁ…っ、も、もうっ、孕み…はらみます、はらみますうぅ……」と叫びながら、大波にのみこまれるようにして気をやった。  *  そう。  不思議なのだ。  あの恐ろしい「おちんぽう」。指が少し触れただけでも、無数の切り傷を負うような。  一晩中、あれをほとに抜き挿しされたというのに、寝床が血まみれになっていたとておかしくないのに。  布団には、少しの血のシミがついていただけで。  でも、そんなことはどうでもいい。  わたしはもう、「あれ」なしではいられないのだから。    最初に挿れられるときは、いつだって恐ろしいほどの痛みがある。  だから、そのときのわたしの叫びは苦しみの声だ。  屋敷中に響き渡る大声を、恥も外聞もなくあげてしまうほどの痛み。でも、すぐに。    それはとてつもない気持ち良さにかわる。  ひょっとしたら、旦那さまの唾や先走りの汁が、痛みをなくし、心地よさをより強めているのかもしれないと。  わたしは、そんなことも考える。  いつしかわたしは、子を孕んでいた。  それは、初めての交わりのときだったのかもしれない。  わたしの下腹は、いま、すこしずつふくらみを帯び始めていた。  でも、日々のほとの疼きは一向におさまらない。  それどころか、ますますひどくなる一方だ。  だからわたしは、昼も夜もなく股から淫汁をしたたらせ、乳首を固く尖らせて、旦那さまの「あれ」を待ち望む毎日を過ごす。    一晩中たっぷりと、気を失うまで可愛がってもらった翌日。  わたしは余韻から逃れられず、 「だんなさま、おちんぽう、はやく、だんなさまの、まら…を、股ぐらにください」と、なかば啜り泣くように呟いて、自分の「お肉刺」をくじり続ける。  そんなわたしの世話をするのは、あの穏やかな中年男とその妻だ。  風呂を焚き、離れを清め、おまんまを運ぶ。  そして、去り際にはいつも、ひとのよい優しい微笑を浮かべながら、朴訥とした声音で言う。 「ほんとうに、『いろ狂い』のお嫁さまやなぁ……」と。 おわり
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