17人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてまた、わたしは離れに戻された。
祝言の前と同じ日々。
でも、身体は前と同じではありえなかった。
旦那さまに舐められた場所が、つまりはほぼ身体中が、うずいてうずいて堪らない。
着替えの衣擦れにさえも、気をやりそうになるほどに。
特に、深く舌を挿し入れられたほとの疼きは、ひときわだった。
どうして、あれきりお顔も見せてくださらない。
尻肉も胸も、吸いつくように心地よい肌だなと。
あの夜、旦那さまは何度も褒めてくださったのに。
祝言の日から、どれほど経ったのかも定かではなくなった頃。
夕餉の後、しばらくして誰かが離れにやってきた。
旦那さまだった。
そのひとに、何と言いながら駆け寄ったのか、覚えてもいない。
縋りついて引き倒して。
願い事を口にした。
わたしは丸裸に引き剝かれ、身体中を撫でられ、舐め回される。
それは、恐ろしいほどの心地よさだったにもかかわらず、わたしの望むものではなかった。
だからひたすらに、わたしは言う。
「おちんぽうを、まらを、くださいませ、ほとに」
繰り返し繰り返し。終いには叫ぶほどに。
そうして、気が遠くなるような長さの弄り遊びののち、ついにそれが来た。
大きく割り開かれた股は、グショグショに濡れ、痺れ切るほどに感覚もあやうい。
そこに、望むものがやっと、押し当てられる。
「ぁ、あ゛……ゃあぁ゛ぁ゛ぁ゛っっ……!!!!」
あつい、いいえ。
痛い………っ。
いたい、あつい、いたい、いたい。
無数の針で描きむしられるみたいに。
絶叫が、悲鳴が止まらない。
すると、ほとの中で、何かが迸った。
もう、子種が放たれたのだろうか。
わたしのなかを、ぬるい液が濡らした。
不思議と、あの激しい痛みが引いていく。
旦那さまが、さらに深く、わたしを穿った。
無数の細い、尖った何かに内側を擦り上げられる感覚は続いた。
でも今、痛みはもうなくて。
ゾリゾリと擦り上げられる感覚は、気が狂うほどの気持ち良さだった。
これまでのなにとも比べられぬほどに。
今度は気持ち良さのあまり、わたしは悲鳴を上げ続ける。
なんどもなんども気をやるが、そんなものすら、もう意味をなさないほどに、なにもかもが心地よかった。旦那さまの熱く大きく固いおちんぽうに、強く擦り上げられる感じは、たまらなく心地がいい。
かろうじて、旦那さまが二度目に子種を吐いたところまでは覚えていたけれど、そのあとのことは、もう何も思い出せない。
朝、明るくなった頃に目をあければ、旦那さまはまた、わたしの上に覆いかぶさっていた。
ほとに、ズブズブと抜き差しされる大きな熱。
「あ゛っ、あ゛、いっい゛ぐぅ……っ」
かすれ声で叫んで、わたしはすぐに達した。
もちろん、旦那さまの腰は止まらない。
力も尽きて重だるい腕を、ゆっくりと旦那さまへと伸ばす。
そして、ふたりが交り合うところへと指を向けた。
チカッと、なにかが指の腹に刺さる。
ブワリと赤い血が噴き出した。
慌てて吸い付き、傷を確かめる。
無数の細かな切り傷がついていた。
……なぜ。
考えもなにも追いつかず、わたしはそのまま、むらおさに穿たれ続ける。
そしてなんども気をやって。かすれ途切れる喘ぎ声が止まらない。
うつ伏せのわたしに、背後からマラを嵌めていた旦那さまが、腰の動きを緩めて、わたしを仰向けにさせた。
足首を掴まれ、尻を持ち上げるようにして、大きく股を割り開かされる。
その刹那、わたしは朝の光のうちに、旦那さまの股間の男張を目の当たりにした。
豊かな下生えの中、太く、固くそそり立つその肉棒には、びっしりと何かが生えていた。
髪の毛ほどの細さの、錫色をした短く固い棘。
目に映るものが信じられない。
でも。
さっき、わたしの指を傷つけたものは。
「ひっ…ひぃぃぃぃっ……っ」
一気に、恐怖がこみ上げた。
あんな陽物で、わたしは。
ほとを穿たれつづけていたのだ。なんと、なんと恐ろしい。
初めて、受け入れた時の、あの鮮烈な痛みが一気に蘇った。
逃れようと身体をよじらせる。
でも、両足首はしっかりと旦那さまに掴み取られたままで、どうすることもできなかった。
ズクリ、恐ろしい男茎で、むらおさがわたしを深々と貫いた。
今、しかと分かる。
無数の棘が、ほと筒のなかを擦り上げる感覚が。でも、けれど。
痛くはないのだ。中はすこしもいたくない。
それどころか。
「ぁぁぁぁあっっっ……っ、ぎぼぢっ…い…い゛ぃぃぃ……っっ…」
旦那さまのマラは、とんでもなくいい。
ジンジンと熱くて目がくらみ、ほとはヒクヒクと蠢いて止まらない。
腹の奥の奥を、固くて太いおちんぽうの先に抉りあげられた。
重たくて、溢れ滲む心地良さがこみ上げる。
わたしは腰を振って、マラの先を、さらにグリグリと行き止まりにこすりつけた。
「い゛っ、いいっ、い…い、おちんぽう、おく、あ゛だ…るっ」
旦那さまのマラが、さらに大きさを増し、さらに奥へとめり込んでくるように感じた。
ああ、旦那さまも、気をやるのだ。
もうすぐ、熱い子種の液を出してくださる。
わたしは腰を大きく振って、さらに深くまで陽物を咥えこむ。そして、腹奥に吐き出される男液の熱さを感じながら、
「あっ、ああああぁぁ…っ、も、もうっ、孕み…はらみます、はらみますうぅ……」と叫びながら、大波にのみこまれるようにして気をやった。
*
そう。
不思議なのだ。
あの恐ろしい「おちんぽう」。指が少し触れただけでも、無数の切り傷を負うような。
一晩中、あれをほとに抜き挿しされたというのに、寝床が血まみれになっていたとておかしくないのに。
布団には、少しの血のシミがついていただけで。
でも、そんなことはどうでもいい。
わたしはもう、「あれ」なしではいられないのだから。
最初に挿れられるときは、いつだって恐ろしいほどの痛みがある。
だから、そのときのわたしの叫びは苦しみの声だ。
屋敷中に響き渡る大声を、恥も外聞もなくあげてしまうほどの痛み。でも、すぐに。
それはとてつもない気持ち良さにかわる。
ひょっとしたら、旦那さまの唾や先走りの汁が、痛みをなくし、心地よさをより強めているのかもしれないと。
わたしは、そんなことも考える。
いつしかわたしは、子を孕んでいた。
それは、初めての交わりのときだったのかもしれない。
わたしの下腹は、いま、すこしずつふくらみを帯び始めていた。
でも、日々のほとの疼きは一向におさまらない。
それどころか、ますますひどくなる一方だ。
だからわたしは、昼も夜もなく股から淫汁をしたたらせ、乳首を固く尖らせて、旦那さまの「あれ」を待ち望む毎日を過ごす。
一晩中たっぷりと、気を失うまで可愛がってもらった翌日。
わたしは余韻から逃れられず、
「だんなさま、おちんぽう、はやく、だんなさまの、まら…を、股ぐらにください」と、なかば啜り泣くように呟いて、自分の「お肉刺」をくじり続ける。
そんなわたしの世話をするのは、あの穏やかな中年男とその妻だ。
風呂を焚き、離れを清め、おまんまを運ぶ。
そして、去り際にはいつも、ひとのよい優しい微笑を浮かべながら、朴訥とした声音で言う。
「ほんとうに、『いろ狂い』のお嫁さまやなぁ……」と。
おわり
最初のコメントを投稿しよう!