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「よし、これでまずは三人のバンド結成だ」
「いや……私はまだ加わるとは言っていませんが」
「ジョン、君は聖楽器収集者だろう? 彼女は生きた聖楽器だ。これほどの宝具をよもや見過ごすはずもないだろう?」
「たしかにそうですね……。わかりました、しばらくご一緒に行動してみましょうか」
「そうと決まれば、バンド名を決めておきたいところだな」
「名前はブライアンが決めてくれて構いませんよ」
「そうだなあ、出会った場所にちなんで……サイレントフォレストというのはどうだろう?」二人はコクリと頷いてくれた。
「それじゃあ、残る四十七人を探す旅に出るとしようか。旅の途中で楽隊メンバーも増やしていこう」
この旅で見聞した出来事を叙事詩にして、聖都コロシアムでライブ演奏するのも一興だろう——
ジョンは手に入れたレプティアの皮革で、邪味線の面を張り替えると試し弾きを始めた。以前よりもさらに繊細な音色に満足そうな笑みを浮かべていた。
「さあ、ここからが俺達の吟遊伝説の始まりだ。景気づけに三人の即興でも奏でてみようか」
俺はつば付き帽子を逆さにして路面に置いた。
楽器のボディを三回叩くのを合図に演奏を始める。
大地を震わせ暗雲を一掃する音色と、強い陽射しのような歌声の連なりが街の広場を包み込んだ。
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