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どうして此処に居るのか、
何故、少艾と話す夢を見るのか、
彼女が夢に出てきてから、早々に一ヶ月が経った。
でも最近は、何も夢を見なくなってきた。
最後の廃寺では、季節は移ろわず、淡々と残された春が侘しかった。
一方現実では新緑の外気は生き生きと息を吹き返し、夏を意識するのが楽しみになってきた。
後悔を感じる時、其処は僕の心で生きていた。
期待と夢が重なる時、誰かの顔色を窺った。
箒星が落ちる度に、
少艾は、朗らかに笑い、懐かしむ。
僕は、溜息を吐いた。
でも、彼女はもう何処にもいない。
何故なら──此処は夢で、彼女は既に、
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