田舎という監獄

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 ようやく戻ってきた日常。休み時間に漢字書き取りの勉強をする必要もないし、放課後急いで家に帰る必要もない。外に出てドッジボールでもサッカーでも好きなだけ友だちと遊べる時間があった。だがしかし、そんな気持ちにはなれず、心を遠くの学校に置いてきてしまったようだった。  友だちには試験の日程や自分の気持ちなど全く話していなかった。やんちゃな同級生から仲間外れにされ、それまで仲が良かった友だちも次第に態度がよそよそしくなっていくにつけ、無防備に心を開けなくなっていたからだ。勿論、志乃が遊びの誘いを断ったことから受験の準備をしていることはみんな知っていたわけだが、そのことについて聞かれることもなかった。    考えても仕方がないこととわかっていた、試験に受からなければ自分がどうなるかなんて。学年で受験した児童は二人。受からなければ地元の公立中学に行くだけだ。学校生活はいま以上に酷いことになるだろう。同級生からも、素行のよくない上級生からも何をされるのか考えたくもなかった。街で見かける大人をみては暗い気持ちになるほど田舎の何もかもに悲観していた。全く、本当に失礼な中二病患者だったと思う、それまで勉強もせずにいて、勝手に受けた試験の結果に振り回されて。それでも当時の僕はどうにかして状況を変えたかった。  半ドンを終えて帰宅した土曜日、はたして学校から試験結果が届いた。
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