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8月、外は残暑でジリジリしており、近くのプールや海で毎日散々遊んでいたが、全く満たされない、心ここにあらずな毎日を僕は送っていた。
少し変わったことは東京で働いていた姉が花嫁修業のため、専門学校を卒業してから勤めていた会社を辞め、実家に帰ってきたのだ。キャリアウーマンで優しくも、ハッキリものをいう姉は年長者の長男とはよく揉めていたが、僕にはとても優しく、大好きな存在だった。嬉しい驚きだったが、一方で父からはあのあと何の話もなく、このままでいいのかという漠然とした焦りを感じていた。
僕には10歳以上年の離れた兄姉がいた。
長男は凝り性で頭の回転が速く、興味を持ったことにはとことんのめり込む学者肌。少し神経質で気難しいところがある人だった。
長女は前述の通りやや思い込みが激しいところがあるが、下の者に対して面倒見が良く、義理に厚い人だった。
次男はスポーツ万能で高校からは寮に入り、いつもバレーボールの全国遠征で練習試合をしていた。所属する学校は全国でも強豪校として知られ、彼自身チームの要だった。要領がよく、後輩を可愛がるなど根底で優しいところがあるものの、飄々として世渡り上手な人だった。
3人は年の離れた僕を自分の子どものように、三者三様それぞれのやり方で可愛がってくれた。僕は3人をそれぞれ尊敬していたし、独りだけまだ幼かった僕は早く成長して3人と対等に話ができるようになり、3人の仲間に入りたいと思っていた。
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