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海底都市国家・リントヴルム、諜報外交部指令室。
中央の大モニターの画面に、ビル街の一部から煙を上がっているのが映った。
ズームインすると、ビルの窓から噴き出す赤い炎と、道路のがれきの山の脇で消防車の赤色灯の回っている様子が見て取れた。
「手ぬるいな」
中央の司令官席に右肘をつき上目遣いで見入っていた、うら若きプリンセス・オトゥが真っ赤に染めた唇を尖らせると、低い声でそう言った。
彼女が瞬くと、そのたびに長い睫毛が蝶の羽のようにひらひらと波打つ。
やがて空いた左手を机に打ち据えた。
「街全体を焼き払え! この私を見くびったらどうなるか、あの男に思い知らせてやらねばならぬ!」
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