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通信回線が閉じると、一同はおもむろに席に着いた。
ほどなくして、オペレーターのイーデルが後ろにいるオトゥとヴォルフの方へ、顔半分を向けた。
「姫、ミュウから発信されたGPS電波を傍受しました」
「……なに?」
プリンセス・オトゥは、再び立ち上がった。彼女の瞳に光が灯る。心なしか腰まである黒い髪が小さく躍った。
彼女のすぐ脇に立っていたヴォルフが、イーデルのシートに近づく。
そのヘッドレストに手を掛け、やや前のめりになりながらレーダー画面に見入る。それから小さく呻くと、顎先の髭を指先でつまんだ。
彼らの背中に向かってオトゥが低い声を放つ。
「……どこだ」
「はっ。モニター画面に出します」
日本沿岸部の地図が線で表示される。その線上に赤い点が光っていた。
「南南東168キロの暮佐市海岸です」
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