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オトゥは、それを見るなり口元に笑みを浮かべた。
「フフ、やはり戻ってきたか」
ヴォルフは、思わず肩をすくめた。
(ちいっ! やれやれ。いつまでもあんな男一人に振り回されるのは正直勘弁だな)
「ヴォルフ、何か言いたげだな」
オトゥの声に彼は内心驚くも、ひきつった頬を直すなり素早く振り返った。それから、背筋を反り返し踵の固い音を立てた。
「いえ、何も! 全ては姫の御心のままに!」
彼女は腕を組み、再び細い顎先を画面に向けると、フンと鼻で短く笑った。
「まあ、いい。どうやら私の思いが通じたらしい。おそらくは、改心したからこそ戻ってきたのであろうな」
オトゥは、そう独りごちた。
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