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地上で何がしたい?と問いかけると、バレリーナは「やっぱり私に出来る唯一のことは踊ることだから、バレリーナとして生きてみたい」と言った。
彼女は日雇いのアルバイトに励みながら熱心にバレエレッスンに通い、バレエコンクールにもエントリーした。
ずらりと並ぶ審査員の前で、彼女は堂々と踊ったが評価は散々なものだった。
「ワンパターン」「表現力がない」「単調で退屈」などなど。
無理もなかった。彼女はその場でくるくると回転しながらオルゴールの音色を鳴らす以外になす術がないのだ。
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