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窓際でブラインドの隙間から外の街を覗いた。道向こうのビルの上で、派手なネオン看板が色を変えて光っている。電気料金の高騰もネオンサインには無関係なのだろうか。そんなことを思いながら、暗いオフィスの自分のデスクに戻った。
電気料金の高騰は、ネオンサインには無関係でも我が社では問題で、残業をする時は自分のいる一画の電灯と、デスクのスタンドだけにするようにという注意が先月の社内メールにあった。
と言っても、ほとんどのメンバーが残業をしている間は、オフィスが暗いと思うことはない。誰かが一日の仕事を終えて出ていくたびに、デスクスタンドが消えて、いくつかのチームの最終残業者が帰るたびにその一画の電灯が消える。
「お先失礼しまあす」という声に片手を上げたところで、今日も私のチームの上にある電灯と私のデスクスタンドの灯が、広いオフィスの中で蛍の光のように残っている。
パソコンを操作する音、書類を捲る音、誰かが小さく流していたBGM、咳払い、他人がたてるそんな雑音が無くなり、オフィス内に静寂がくる。
21時、今日もまた最後の一人になっている。
先週まではこんなことはなかった。もちろん残業はあったけれど、ほどほどの時間には帰っていたと思う。
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