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シィン、と漫画なら俺達の周りに書き文字があるんだろう。
今この部屋では誰一人声を出さず――いや、音を発していなかった。
真顔で向かい合って、座っている。
好き嫌いで言ったらやるのは嫌いだが、いっそ大喜利でもしてそれを考える時間ならまだ良かった。
ただ無言で、俺達は三人で、線で結べば三角になる形に座っていた。
向かって右側に座る善弥は俺を見て変顔をしてきた。
気軽に笑わせようなんて思わないでほしい。
お前の変顔はもう見慣れてるから、俺は全然面白くない。
向かって左側、この音の無い空間の原因になった八尋は渋い表情で俺を見ていた。
いやお前らなんで俺の方見てるんだよ、別の方向見ろよ。
そもそもこの時間なんなのさ。
何か言いたいような、何か言えば面倒くさくなるような予感がして、口を開いたものの音にはせずに閉じる。
なんでこんな事になったんだっけ、と瞳を閉じて考える。
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