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うるさい隣人
「うるさい!」
ああ、まただ。
隣室から女の甲高い声が響いてくる。
「うるさい!」
「うるさい!」
「うるさい!」
キンキン声で怒鳴られると、無関係のこっちまで気が滅入る。
一年ぐらい前に別れた彼女を思い出すのだ。
短気で気に入らないことがあるとヒステリックに怒る女だった。
ロリ系の見た目が好みだったので、最初の頃は我慢していたが、
段々疲れるようになってしまい、俺の方から別れを切り出した。
彼女の存在を完全に忘れたくて、都会の喧騒にあるアパートから、
閑静な住宅街の中にあるアパートに引っ越した。
通勤時間が少し長くなったが、まあ許容範囲だ。
それよりも、静かで穏やかな生活ができることの喜びが大きかった。
それなのに……
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