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「では、これ以上は連絡がないと動けないので、今日のところは解散しましょうか」
犬一が発言した時だった。突然、美猫のテレパシーが結羽の頭に響いた。
「皆さん、待って! 美猫さんから連絡が…… 」
そう言ったもののどうも様子がおかしい。
【美猫さん、どうした? なんかあったのか? 】
結羽が必死で呼びかけるが、反応が薄い。
【美猫、どうした? 】虎太郎も通信する。
【お、にぃちゃん? 】
【皆揃ってるぞ、何があったか伝えてくれ! 】
結羽が必死で呼びかける。
【あ、私… 睡眠薬… 飲まされたみたい… 意識がだんだん遠のいていく】
【美猫さん、そのまま身体をつねりながら、できるところまで実況して】
翔が励ます。皆も、意識を少しでも保てるように、声をかけ続けた。
【私、肩を支えられ… 車… 乗った】
【誰が一緒に乗ってる? 】
【男の人……たち…… 】
それを最後に美猫からの声は途絶えた。
「まずいな。睡眠薬だと着いた時の状況が分からない。結局赤木の家か黒木の家か判断できないな」
虎太郎が呟いた。
「いや、男たちって言ってたよな。ってことは黒木揚羽のアパートじゃないよな。本人が一緒に行かないわけがない」
「それもそうだ」
「よし、それなら残るは赤木の家だな。俺たちも出発しよう」
翔も犬一も良子さんにシャッターを開けてもらっていたので、車は人数分はあった。だが、結羽たちは目立ってはいけないので、結羽の車1台に乗って出かけることにした。
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