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「では、助っ人を呼ぼう。姉にテレパシーで声をかければ、僕が訓練しているチワワとトイプードルなら連れて来れるはずです。警官は龍矢さんに話せば派遣してくれるでしょう」
「ならば、鬼黄の家にも同時刻に踏み込んでもらうのはいかがでしょう。その時点で美猫さんの髪束の捜索ができなくても、全員拉致監禁ほう助で逮捕して、後日、家宅捜索もできますから」
結羽が勢いづく。警官も警察犬もすぐに派遣するのが難しいと知っている犬一が慌てて「ちょっと相談してみましょう」と電話を入れた。
ほんの数メートル先に美猫が居ると言うのに、踏み込んでいけないのがもどかしい。ただ、美猫の声が聞こえないのがまだいくらか救われる。結羽はできれば捕り物劇が終わるまで眠ってて欲しいような、複雑な思いで犬一の電話が終わるのを待っている。
「え~ 皆さん! 今から調整するので、本当に夜中になるそうです。それでも、今日中には出動してくれるとのことでした! 」
嬉しそうに報告する犬一。
よっしゃっあ!と気合を入れる虎太郎。
ヨシヨシ! と頷く翔。
安心してへなへなと力が抜けていく結羽。
4人夫々の反応だったが、その時が近づいていることに皆、安堵した。
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