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リビングの扉は青木が開けたまま出てきていたので、伏子とチワワはすぐに赤木の元に辿り着いた。
訳が分からず固まっている赤木。
伏子がチワワに赤木を指さし「Go! 」と命令する。
チワワは迷うことなく赤木に飛び掛かった。
「うわぁぁ! ぎゃぁぁぁ! 助けてくれー 」何が何だかわからず、ただただ悲鳴を上げる赤木。
チワワは顔めがけて何度も飛びつき視界を遮っている。
周りが見えないことで赤木の恐怖は増幅していた。
そこに結羽が追いつく。
訓練されているチワワは、ケガを負わすことなく恐怖だけを煽っている。
結羽は赤木に近付くと伏子に見えないように一発食らわした。
「美猫さんのいる部屋の鍵はどこだ」
赤木は慌ててポケットから鍵を取り出すと、投げてよこす。
それを掴んで結羽がリビングを飛び出して行った。
遅れてやって来た他の仲間が赤木を取り押さえ、龍矢が手錠をかけた。
「社長ー! ここです。私、ここに居ます」
美猫が叫んでいる。
その声がする部屋にはチェーンが巻かれていて、そのチェーンの鍵を結羽が手にしていた。
気が焦ってガチャガチャさせながらチェーンを取り外し、ドアを開けた。
開けたドアの真正面に美猫が立っていた。涙でぐしょぐしょの顔。
結羽は思わず美猫を抱きしめていた。
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