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「エッ! 」今のどういう意味?
聞きたかったが、美猫はとっくに良子と一緒に母屋の玄関に向かっていた。仕方ないので、結羽は事務所に戻る。
昼抜きだったので、いきなり空腹感に襲われた。冷蔵庫を開けて物色するがめぼしい食料がなかった。一番上の段に生卵があるのを見つけて小躍りする。
やったー! これを茹でて残っている食パンと一緒にしてサンドイッチにしよう。コーヒーも飲みたい。
人は厄介ごとや心配事が片付くと、忘れていた食欲を思い出すらしい。そうなると食べ終わったら睡魔に襲われそうだ。
卵サンドを食べ終わると、思った通り一気に眠気に見舞われた。ふらふらしながら寝室まで行くと、そのままベッドに倒れこんでいた。
****
どれくらい経っただろう、人の気配を感じて眠い目をこすった。
「社長、よく寝てましたね。もう7時ですよ」
美猫だった。シャワーでも浴びて来たのかさっぱりした顔で、鬼皇に切られた髪もそこだけ編み込みにしてアップにしていた。
いつもと違って、色っぽい。
「良子さんが、夕食を用意してくれたの。社長、お腹空いてます? 」
「母屋で俺を待ってるのか? 」
待たれているなら急がないといけないので、結羽が起き上がった。
「ううん、違うの。ここで2人で食べなさいって、ご馳走をいっぱい持たされちゃった」
「ふ~ん、そうなんだ」
なら、身体がべたべたして気持ち悪いので自分もシャワーを浴びてさっぱりしてから、テーブルに着こうと考えた。
「いっしょに飲みなさいって、ワインも渡されたよ」
「それは楽しみだな。よし、すぐにシャワー浴びて来るよ」
今から美猫と祝杯だと思うと、知らず知らずのうちに笑みがこぼれた。
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