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14 今回は、大橋の殺害に失敗したが、次回は必ず成功させると、 新たな決意を固める浩市であった。 しかし、次回の殺害構想は、まだ考えてはいない。 同じ方法は使えない。 今回苦慮して出した計画が、道子のお馬鹿な頭脳の為に失敗した。 浩市は、麗華に睡眠を取らせた。 道子の頭脳に休息と栄養を与えるためだ。 サイボーグの能力を最低に調整したのが、良くなかった。 今度、麗華を大橋に会わせる時は、能力を最大に設定しよう。 蹴られただけで、死に至るかも知れない。 また、首にマッサージするだけで、首の骨が折れる。 浩市は、麗華の能力を最大限に設定することを決めた。 だが、最大限にして生活させては、危険である。 大橋に会うその直前に設定しなければならない。 問題は大橋に麗華を、いつ会わせるかだ? 明日、大橋に麗華を連れて詫びに行こう。 それなら、自然である。 大橋も麗華を、襲って目的を達成することも無く、蹴られて プライドが傷ついている筈である。 麗華を連れて詫びを入れたらすんなりと、許す筈である。 そして二人きりにさせて、昨日の続きのマッサージをさせる。 首のマッサージで、首の骨が折れると、云う計画だが、 首の骨が折れるぐらいで、直ぐに死ぬのか? それに、大橋はその場でマッサージを許すだろうか? と、浩市は自問自答していた。 とりあえず、麗華の能力の設定を最大限にし、明日大橋に詫びを入れに行くことを決めた。 後の事は、運を天に任せる以外ない。 天才でも自分で責任を持つ事無く、天に責任を転嫁させるのである。 だが、これも浩市の人間性の一つである。 自分の事は責任を曖昧にして、他人に責任を押し付ける。 この様な男なのだ!新美浩市と言う人間は! 浩市は麗華のメンテナンスを入念にした。 今度こそ、大橋を殺すと強い意志を込めて。
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